会社が上場する理由とメリットを説明させていただきます。タリーズコーヒーの事例を通して学ぶことで、わかりやすく楽しく理解していただければと存じます。
目次
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上場とは?
「上場」というのは株式市場に上がるということで、上場した会社の株は誰でも自由に売り買いをすることができるようになります。
企業はなぜ、わざわざ上場するのでしょうか?
最もポピュラーな理由が資金調達です。会社は株を渡す代わりに、株を手に入れた人から資金をもらうことができますので、これを元手に事業を拡大することができます。それに資金以外にも、メリットはいくつもあるのです。
タリーズが上場したことにより得たメリットは?
上場することによって企業は知名度や信用力や資金など様々な恩恵を受けることでしょう。では、タリーズが上場したことによって具体的に享受したメリットについて、いくつか挙げさせていただきます。
- メリット①出店エリアの確保
タリーズが上場するまでは、知名度と信用が少なかったため、大手オフィスビルの商業エリアに出店する際は、大手のチェーンが優遇されてしまっていました。そのため出店エリアをなかなか確保できないという問題に悩まされていました。しかし、上場企業になることによって信用度が高まり、出店場所探しも難しくなくなったそうです。
- メリット②フランチャイズの問い合わせが増える
フランチャイズ加盟の応募の問い合わせが、上場以前は1日に1,2件程度だったのが、上場を境には10件~15件と急増したそうです。やはりフランチャイズを出店する側も上場しているということで安心感を抱くのでしょう。
- メリット③いい人材が集まりやすくなる
信用がついたことでいい人材も集まりやすくなったそうです。中にはタリーズに対して、外資系のスマートな会社というイメージをしていて「こんなに大変だとは思わなかった」と辞めていってしまう人もいたそうです。
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タリーズコーヒージャパンが早めに上場した理由
2001年7月21日、タリーズコーヒージャパンはナスダック・ジャパン市場に上場しました。これは同年十月に上場したスターバックスより早く、日本のスペシャリティコーヒー業界では第1号。
まだ、そこまでタリーズが育っていない中での上場でした。なぜ、上場を急いだのでしょうか。そこには創業者松田公太さんの投資家への思いがありました。
成長する前に上場すれば、経営者は投資家に期待に応えられるよう事業を大きくし、株価も上昇して投資家にも喜んでもらえる。逆に事業がのびきってしまってから上場したとしても、投資家からしても大きい配当は見込めない。それによってメリットを得るのは多額の資金を手に入れることができる会社側になってしまう。
創業者の松田さんはタリーズの持ち株を担保に銀行から1億円を借りて、タリーズの株を買ったそうです。それはそうすることによって投資家の人と同じ気持ちになって経営できると考えてのこと。どこまでもユーザー目線であることが、タリーズがここまで大きくなった要因のひとつかもしれませんね。
タリーズを通して上場を学ぶことにより、タリーズの見方も少し変わってくるのではないでしょうか。より楽しいカフェライフなどのお役に立てたら幸いです。
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