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セルフサービスのカフェが急増した理由【日本のカフェの歴史】

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セルフサービスのカフェとは、ドトール・スタバ・タリーズのように、カウンターで店員さんから商品を受け取り、お客さん自ら席に運ぶスタイルのカフェのことを指します。

一方、コメダ珈琲店のように、ボタンを押したら店員さんがドリンクなどを持ってきてくれるスタイルをフルサービスと言います。

 

元々も、日本はフルサービスのカフェがメインでした。しかし、時代の変化とともにセルフサービスのカフェが支持を集めていきました。

その経緯を知ると、カフェの文化への理解度が深まり、より楽しいカフェライフを過ごせるかと思います。

 

 

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セルフカフェの先駆け「ドトールコーヒーショップ」誕生

1980年(昭和55年)にセルフサービスのカフェの先駆けの「ドトールコーヒーショップ」の1号店が誕生しました。創業者の鳥羽博道氏がパリのシャンゼリゼ通りで見た光景をヒントに立ち飲みのコーヒーショップとしてオープンしました。

 

【関連】ドトールコーヒー誕生秘話!最初は立ち飲みだった!今はどこに存在する? 

 

ドトールが誕生した頃の日本の喫茶店と言えば、テーブルに座ると店員さんが注文を取りに来てくれるフルサービスのスタイルが主流でした。コーヒーの価格は300円前後。

そんな中、ドトールは一杯150円という相場の半値という当時の常識では考えられない衝撃の価格でコーヒーの提供に踏み切りました。

 

時代背景とドトールが支持された理由

ドトールが1980年に誕生しましたが、その前年1979年に第二次オイルショックが起きました。日本はエネルギーのほとんどを石油に頼っていたため、石油の価格が高騰したことに伴って、物の値段が急激に上がりました。

日本人全体の給料が上がった訳ではないのに、物の値段だけは高くなっていったので、景気は低迷。企業の業績も悪化し、ビジネスマンの実質所得は減少していました。

 

しかし、それまでの好景気の影響もあって、コーヒーを飲むという習慣は多くの人々の生活の一部になっていました。朝一杯のコーヒーを飲まないと仕事が始まらないと感じるビジネスマンも増えていました。

経済的に厳しい状況に立たされたビジネスマンの方々には、今までのようにコーヒーに300円前後を払うのことは大きな負担になってしまいます。

ドトールの創業者である鳥羽博道氏は「これは大変だ。ビジネスマンの生活を守らなければならない。なんとかして経済的負担を軽くしたい」と考えてコーヒー一杯150円のドトールを誕生させたのです。

 

オイルショックによるサラリーマンの厳しいお財布事情と、ドトールの150円という低価格なコーヒーのニーズが合致したことなどもあって、日本のセルフカフェの先駆けであるドトールコーヒーショップは支持を獲得していったのでした。

 

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セルフサービスの全盛!バブル期

セルフサービスのカフェの急増に拍車をかけたのは、バブル期である1986年(昭和61年)~1991年(平成3年)頃。この時代にフルサービスよりもセルフサービスのカフェが主流になっていきました。

この時代になぜ、セルフサービスのカフェは急増したのでしょうか?

 

店側の事情~地価高騰により売り上げがおいつかなくなった~

バブル時代。メディアの不動産の度重なる宣伝などの影響もあってか、土地の値段が上がっていきました。その影響で、テナントを借りて営業を行っていた喫茶店は、家賃が高くなってしまい経営が困難になっていきました。

また、当時は円安という状況で、コーヒー豆など、海外から購入するコスト増してしまい、原価の上昇につながりました。

 

そういった理由から、昔ながらの喫茶店は次々と姿を消していきました。

 

お客さん側の事情~バブルでゆっくりする暇がない~

スターバックスという、女性の支持を獲得するおしゃれなカフェが日本に誕生するまで喫茶店・カフェのお客さんと言えば男性がメインでした。 

【関連】スタバが流行った理由!最初は女性に人気が出ると思ってなかった!?

 

バブル期以前の日本では、サラリーマンが喫茶店でゆったりとサボるという光景が見られていたようです。

しかし、バブル期は働けば働くほど収入が上がり、働けば豊かな生活が訪れるとみんなが信じていた時代です。栄養ドリンクのリゲインのCMのフレーズ「24時間はたらけますか?」が新語・流行語大賞の流行語部門で銅賞を受賞したことが象徴的であるように、サラリーマンはのんびりしていられない忙しない時代に突入していたのです。

 

そのため、喫茶店もゆったりと過ごすようなタイプではなく、細切れの時間で利用できるセルフサービスのカフェが支持を獲得するようになっていきました。

 

スターバックス等のシアトル系コーヒーチェーンが進出!

アメリカのシアトルを発祥するコーヒーチェーンであるスターバックスが1996年に銀座1号店をオープンしました。そこから、さらにセルフサービスのカフェの数が急増していきます。

それまでの喫茶店・カフェは男性が主なターゲットでしたが、スターバックスのおしゃれな雰囲気は女性からの圧倒的な支持を獲得していきました。

 

詳しくは⇒スタバが流行った理由!最初は女性に人気が出ると思ってなかった!?

 

その後、シアトル系コーヒーチェーンのタリーズコーヒー、シアトルズベストコーヒーなども進出し、シアトル系コーヒーの武器であるカフェ・ラテなどのエスプレッソドリンクは話題となり、日本でも市民権を獲得していきました。そうしてセルフサービスのカフェはさらに日本で数を増していくのです。

 

詳しくは⇒タリーズ創業エピソード!創業者松田公太さんの行動力が凄すぎる!

 

 

 

こうして、セルフサービスのカフェが急増する一方で、昔ながらのフルサービスのカフェが減っていったのです。

日本のカフェの歴史を知ると、現在のカフェに対する見方も変わります。知れば知るほど面白いので、ぜひカフェの歴史も知っていただきたいです。

 

【関連】

知って楽しむ!『コーヒーチェーン入門』ページ 

 

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