ヨーロッパカフェ文化の先駆けになったイギリス。
17世紀頃のイギリスのロンドンのカフェの様子を見ていくと、今では考えられないようなカフェ事件が起きているので、知っていくと面白いです。
今回は17世紀頃のロンドンで婦人たちが起こしたカフェの反対運動をお伝えさせていただきます。
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ロンドンのコーヒーハウスは大人気だった
17世紀頃のイギリスのロンドンではコーヒーハウスが人気を博していきました。(コーヒーハウスは当時のカフェの呼び方。)
コーヒーハウスが支持された理由は「身分の差を気にせずおしゃべりできる」「酒場よりも安いし真面目な話しができる」「コーヒーは健康にもよい」というもの。(詳しくはこちらの記事で⇒イギリスのカフェの歴史|身分の差を気にせずしゃべれる場所だった!? - 学んで楽しむコーヒーチェーン)
男性たちは、このコーヒーハウスに入り浸り、政治や文芸、あらゆることを議論し、おしゃべりしまくっていたようです。
このコーヒーハウスは、理由は定かではありませんが、女性のお客さんは入ることができなかったと言いいます。
婦人たちが切れる
コーヒーハウスに集まり年中おしゃべりする男性たち。
旦那がなかなか家に帰らず、自分のことをないがしろにされ、世の婦人たちは怒りにふるえていました。
そして、1674年に婦人たちによって「コーヒー反対の請願」というものが出されました。これは、コーヒーハウスに対する訴えなのですが、内容が実に衝撃的でした。
その内容は「コーヒーが原因で男性がインポテンツになり人類が絶滅してしまうから、コーヒーハウスを閉鎖して欲しい」というようなもの。
また、「60歳以下の成人すべてにおいてコーヒーを飲むことに厳罰をもって禁じて欲しい」ということも訴えたそうです。
言ってることは、あまりにも荒唐無稽ではありますが、当時の女性たちがいかにコーヒーハウスに対して怒りを覚えていたかが伺えます。
その後のイギリスでは、紅茶の登場などの理由によりコーヒーハウスは衰退していきました。そして、「イギリスと言えば紅茶」と言われるほどに、イギリス人は紅茶に傾倒していきます。
あんなにコーヒーを飲んでいたのに、さすがに極端では?と思う方もいるかもしれません。
コーヒーが飲まれなくなった理由は、一説によると、インポテンツ説みたいなのが出回ってしまったせいで、家庭でコーヒーを飲んだりするのが気まずくなったからではないかと言われています。
確かに、女性の方も一度そんなことを言ってしまったら、コーヒーは飲むことができないのは理解できるし、そういうイメージがついたものを家庭で出すのにも抵抗があるのは理解できます。
もし、気まずいとかそういうのが理由でコーヒーから紅茶へと文化が変革されるのだとしたら、文化ってそんなことで変わっていくんだなーと感慨深い気持ちになります。
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ちなみに日本でもカフェは男性の場所だった
17世紀頃のイギリスのロンドンのカフェは、女性は入ることも許されない、男性のための場所でした。
かくいう日本でも、今でこそ女性のイメージが強いカフェですが、かつては男性向けの場所であり、また、コーヒーも男性の飲み物という印象が強かったそうです。
それを変えたのが、スターバックスです。
1996年8月にスターバックスは銀座にオープンしました。
スターバックスは当時珍しかったエスプレッソドリンクと、おしゃれな雰囲気を武器に、女性の支持を獲得していきました。
それをきっかけに女性のカフェ需要は高まっていったと言います。
(詳しくはこちら⇒スタバが流行った理由!最初は女性に人気が出ると思ってなかった!?)
現在はカフェ=女性というイメージですが、以前は違ったんだなーということを知ると、カフェの見方が少し変わる気がします。
カフェの歴史やコーヒーチェーンの歴史を知ることで、より楽しいカフェライフを送れるではないでしょうか。
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